今回は石巻のスタッフになったスティーブンに石巻の事やＫ２との出会いを聞いてみたいと思います。
菊澤)まずは簡単に自己紹介をお願いします。
スティーブン)僕は父が日本、母がスコットランド出身で生まれたのは京都です。小さい頃はスコットランドで過ごし、小学生の時に父の故郷の滋賀県に来ました。大学は大阪で、のらりくらりと8年間大学生をしていました。
菊澤)だから関西弁なんですね？
スティーブン)そうなんです。関西圏の方と話をしていると、関西弁になるんです！
2011年に卒業を控えているにも関わらずまだ就職先が決まっていなかった時に、あの東日本大震災が起きました。その年の５月に「何か自分でも出来ることがあるのでは？」との思いから石巻に来ました。193軒の家の泥かき、家財道具出しから始まり、基礎工事までを支援。また海外から来たボランティアのコーディネートも行いました。2012年末に緊急支援団体の活動が終わり、長期支援が必要だと感じていた時にICC（石巻クリスチャンセンター）と出会い、石巻に腰を据えて活動していくことを決めました。
菊澤)Ｋ２と出会ったきっかけは何だったのですか？
スティーブン)震災後多くの教会関係の団体が復興支援のために石巻で活動されていて、そのネットワークで当時のＫ２スタッフに出会いました。仮設住宅をキッチンカーでまわってたこ焼き販売をする「ころ蛸」の話を聞き、子ども向けの体験型イベントで、Ｋ２の皆さんにお手伝いをお願いしました。その後メンバーとも関わることが増え、ちょこちょこ石巻Ｋ２ハウスにも伺うようになり、縁があってスタッフとして働かせてもらってます。
菊澤)震災から8年半が経ち、今石巻にいて感じることは？
スティーブン)大きな災害があった場所でしたが、日本はハード面での復興は早いと感じます。しかし感情面では、やはりこれほど大変なことがあったことはいつまで経っても心の中にあって、そこが変わることはないんだと感じます。
菊澤)これから石巻はどうなっていくと思いますか？またこれから自分がやっていきたいことはありますか？
スティーブン)自分もまだ若い部類の人間ですが、そろそろ次世代が育ってきて、自分が彼らに何を残していけるのか・・・なんてことも考えるようになりました。
菊澤)そうですよね。結婚して秋にはお子さんも生まれますよね。実際石巻は若者離れ、急速な高齢社会になってきています。その石巻で子育てしようと思ったのはなぜですか？
スティーブン)震災があってここにきて、いろんな人と縁があって繋がり、自分の出来ることなんて少ないけど、それでも初めて「この土地で生きている」という実感が持てました。
菊澤)Ｋ２石巻で働いて９カ月。この仕事をして心がけていることはありますか？
スティーブン)メンバー一人一人と話す時間を大切にすること。あとは、梨木畑地域の方々との関わりも大事だと思っています。毎月１回地元の集会所をお借りして「おちゃっこ礼拝」の開催も始めました。近所の方がお菓子や手作りのお惣菜を持って来てくださるのもありがたいです。
菊澤)そうなんですよね～。散歩していても「お茶っこしにおいで～」とお家に呼んでくれていろいろお話しさせてもらえますよね。お菓子とかもいっぱい出してもらえるし（笑）
スティーブン)これからどの地域でも起こりえる高齢化。でも皆さんとお話ししていると、本当に教わることが多いんです。自分たちもこれから歩んでいく道を先に進んでいる人生の先輩。そういう方の経験した話が、こんなに気さくに聞ける関係があるのがうれしいです。
菊澤)石巻の良い所って何ですか？
スティーブン)やっぱり素晴らしい自然。そして海の幸。ここに来るまではあまり魚介類は好きではなかったのですが、獲れたての動いているウニやピチピチはねてる魚の刺身、これを食べた時には美味しくて感動しました。知り合いの漁師さんからもその時々にとれた魚をもらうこともよくありました。今の時期ならやっぱり秋刀魚ですね！
菊澤)そんなスティーブンさんがおすすめする「うんめぇもん商品」を教えて下さい。
スティーブン)木の屋水産の缶詰です。
菊澤)結婚式の引出物にしたと聞きましたよ？
スティーブン)そうなんです。石巻でとれた食材を使っていて、品質がすごく良く、なによりおいしい。多くの人にそれを知って欲しかったんです。ちなみに横浜の「根岸の森のはちみつ」も引出物で皆様にお配りしたら、すごく喜ばれました。
菊澤)最後になりますが、横浜のみなさんへメッセージをどうぞ！
スティーブン)忘れない事・続ける事・進化する事。
今も復興支援を続けて下さっていること、JOBキャンプで若者に石巻を知ってもらうきっかけをつくってくださっていること、続けていくことは大変ですが、横浜のみなさんが支援し続けてくれることは心強いし感謝です。
皆さん、ぜひ石巻にお越しください！！
