三浦)江上さんのお仕事について教えてください。
江上さん)ファンケルの役員を定年退職後、ファンケルの関連会社の代表を経て、今はファンケルの顧問をしています。ファンケルは横浜市栄区が発祥です。オーナー(ファンケル創設者の池森賢二さん)が一人で衣料品店の裏にある物置のような所を借りて、防腐剤の入っていない化粧品を作り、長年地元の人達に支えられてここまで来ました。本社は20年以上前に中区に移転しましたが、オーナーの希望は栄区の地で、栄区の色々な場所に顔を出し、栄区の人達に還元をすること。もう一つは、オーナーがロータリークラブでの活動をしていましたが、忙しくなり、私が後を引き継ぐことになりました。オーナーのこれまでの活動と想いを引き継いでいくのが私の仕事です。
三浦)K2との出会いについて教えてください。
江上さん)元栄区長の小山内いづ美さんから『うんめぇもん市』のことを聞きました。パンフレットやお弁当のメニューを送ってくれて、それがきっかけで
K2のことを知りました。私も東日本大震災後に石巻の渡波や栄田地区に12回ボランティアで行っていたので、うんめぇもん市のことは、他人事ではないと感じました。
三浦)江上さんが継続されている復興ボランティアについて教えてください。
江上さん)ファンケルのCSR部門の中に『もっと何かが出来るはず基金』というものがあり、毎月社員がそれぞれ好きな金額を積み立てています。寄付だけではなく、CSRチームが企画して、東日本大震災の時には石巻にボランティアに実際に向かいました。最初に行った時は、家の中の泥を掻き出す作業をしました。何度か行くうちに地元の人達とも仲良くなり、しばらくして渡波地区で花を植える活動をスタートしました。それは、震災後の瓦礫の中で育ったひまわりの種を集めて、そのひまわりを植える活動でした。過酷な環境の中で強く育ったひまわりの種を入れたお守りも作りました。また、一昨年は、ロータリークラブの仲間と『石巻に行こう!』と計画し、震災直後にお世話になっていたおばあちゃんに会いに行きました。「道路や鉄道は回復したけど、人の心は傷ついたままだよ…」とおっしゃっていました。テレビやニュースでは、本当の苦しみや大変さは、なかなか報道されませんね。本当の復興は、道路や鉄道が通ることだけではなく地元の皆さんの心の回復が大事ですよね。もっとみんなが本当の復興の意味を考え、何年経っても決して忘れてはいけないと言うことだと思います。
他にも鎌倉のあじさいで有名なお寺から植木屋さんが剪定で切り落として処分する枝を鎌倉市役所を通して譲り受け、土に植え替えてある程度育ててから、南三陸のお寺に植樹する活動もしました。花を見て、地元の方々が少しでもほっこりとして笑顔になってもらえたらとても嬉しいです。この活動を通して、地域の方々との交流を続けていきたいと思っています。
三浦)素敵な活動ですね。ニュースなどでは放送されない貴重なお話をありがとうございます。私達の活動拠点も渡波にあり、若者が共同生活しています。今度石巻に行った際にはぜひお立ち寄り下さい。
三浦)うんめぇもん市のお気に入りのお弁当を教えてください。
江上さん)石巻牡蠣わっぱ飯です。煮物と牡蠣の佃煮が入ってヘルシーで、とても人気です。どれも美味しいですが、石巻牡蠣わっぱ飯が一番のおすすめです。仲間が年配者ばかりなので、ご飯が少ない物が人気ですよ(笑)。物産も良い物ありますね。色々とみんなで買っています。一番好きなのは貝ひもです。お酒のおつまみにぴったりです。
三浦)ありがとうございます。これからも美味しい物をお届け致します!それでは最後に、やっぺす通信の読者の皆様にメッセージをお願い致します。
江上さん)現地はまだまだ復興半ばです。ニュースなどで見ている内容とはかなり違いがあります。現地に行くことによって学ぶこと、現地の人と触れ合うことによって知ることがたくさんあります。東日本大震災からもうすぐ10年を迎えますが、忘れないこと、思い出すこと、考えることがとても大切だと思っています。うんめぇもん市の活動もこれからも応援します!
三浦)うんめぇもん市のキーワードは、「忘れないこと・続けること・進化すること」です。是非これからも応援、ご協力をよろしくお願い致します。