うんめぇもん応援団 応援ファイルNo.78 うんめぇもん応援団突撃インタビュー

犬塚さん インタビュー

菊澤)こんにちは。今日はよろしくお願いします。まずは犬塚さんが石巻に来られたきっかけを教えてください。
犬塚さん)もともと名古屋で建築関係の仕事をしていました。今のまま仕事を続けようか悩んでいた時に東日本大震災が起き、復興に励む人たちの姿に背中を押された感じがして、仕事を辞め仙台に移り住みました。今までの経験を活かして建築に関する復興支援の一環で石巻の牡鹿半島に足を運ぶようになったのがきっかけです。当初数ヶ月の関わりのつもりでしたが、たった数ヶ月で何もできない現状と、その場しのぎの支援の無責任さに直面し、半島移住を決めました。

菊澤)「おしかリンク」のお仕事を教えてください。
犬塚さん)最初は観光のワンストップ窓口として「おしかリンク」を起ち上げました。しかし、観光だと一度きり。できればこの地域に興味を持って住みたい、また様々な課題を地域の人達を巻き込んでやってみたい、そんな人たちを集めたいと思うようになりました。いろいろな縁で最近は大学生が多く集まり、漁業や町おこし、商品開発など面白いことにチャレンジしています。今は森林再生事業に力を入れていますが、実はここに来るまで自然というものにあまり興味がなかったです。山の中を探索していたら、山の歴史や、植物のルール、面白い発見があることに気づきました。それと同時に沢山の課題も見え、解決に向けてのプログラムを考えるのが建築に通じる所があり、それがとても面白いんです。

菊澤)では、K2との出会いは?
犬塚さん)石巻市内のNPO連絡会議でK2スタッフからJOBキャンプの体験先の協力をお願いされたのが始まりです。社会の中で生きづらさを感じ悩んでいる若者たちがいることはテレビなどで聞いたことはありましたが、実際自分たちは関わったことが無かったので、「自分たちの活動が役に立つのか?」「虫嫌いで山の中に入ることを嫌がらないか?」等気になりました。ただ、回を重ねるごとに、参加してくれた若者が純粋に自然を楽しんだり、感動してくれたり、どんな取り組みにも一生懸命で、その姿を見られることがすごくうれしかったです。今キャンプに来る皆さんにはシカの食害影響調査の一環でウリハダカエデの植樹や生態調査などを一緒に行ってもらっています。

菊澤)震災から9年がたちますが、今石巻にいて思うことはありますか?
犬塚さん)震災を経験した「人」から学ばせてもらったことは沢山あります。もともとなのか、震災を経験されてからなのかわかりませんが、どんなことも乗り越えようとする力強さ、それと地域のつながり。新しい人の受け入れに関しても、とてもウェルカムな感じです。移住して子育てで困った時なんかはみな自分の家族のように助けてくれます。
それ以外に、震災後は沢山NPO団体が支援に入ってきましたが、9年経つとだんだん数も減り、予算も減り…。だからこそ、復興だけでないNPO同士の複雑な社会的課題解決に向けて協働出来るような新しい仕組み作りも始めました。同じ思いで石巻で活動を続ける仲間が残っているのも心強いです。

菊澤)うんめぇもん市に『忘れないこと、続けること、進化すること』というキーワードがありますが、まさにそれと同じですね!最後に今後の展望など教えてください。
犬塚さん)半島に移住したい、何かやってみたいという若者を増やしたいです!山積みの課題を地域の人たちも巻き込みながら、楽しく解決できるプログラムを考え、それが収益事業に繋がるようにしたいですね。さらには地域産業の担い手も育てていきたいです。

菊澤)今日はありがとうございました!またJOBキャンプでお世話になります。
今後ともよろしくお願いします。

記念写真

一般社団法人おしかリンク
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牡鹿半島の人と人、人と地域、地域と地域をリンクし、また牡鹿半島と他の地域をリンクし、より魅力的な「牡鹿らしさ」を探求します。