講師として農業法人でんぱたの鈴木 正美さんが来てくださいました。
うんめぇもん市は石巻でK2の元スタッフが被災した事をきっかけにスタートしましたが、その中で福島県矢祭町との出会いもありました。毎年学童で虫キャンプに行ったり、ジョブキャンプで若者達が就労体験に行かせてもらったりしています。今年はコロナの影響で現地に行くことができませんでしたが、この間も矢祭の野菜や物産を届けていただいたり、「もったいない市場」を根岸で開催していただいたりと交流を続けてきました。
講演会は「ふくしまの今を語る人」事業として福島県の食の安全についてのPRをしていただきました。福島県といえば、2011年3月11日に起きた東日本大震災での福島県第一原発の水蒸気爆発が起こり、大量の放射性物質の放出による被害を受けました。放射性物質の影響は、第一原発から近ければ近いほど高く出ると思われがちですが、実は、放射線物質は真上に上がり、雲に乗って移動し、雨が降った場所に多く出ることが分かっています。今では、あらゆる最先端の技術を駆使し、放射線を除去したり、生産管理がどこよりもされている福島県の野菜や魚、肉などから規定値以上の放射線は、検知されていないとのこと。それでも、事故直後から放射線被害を受けていない矢祭町の野菜やお米も含めて「福島県産」と言うだけで、売れなくなったそうです。風評被害は、9年が過ぎた今も続いており、でんぱたの鈴木さんからも「原発前のお客様は、放射線が減ったと言っても戻らない。今のお客様は、原発後に現状を伝えて、少しずつ信頼関係を築いて購入してくださる方たちがほとんど。」とのことでした。
矢祭町では、2011年からグリーンツーリズムの矢祭版「やまつーりずむ」という矢祭町と都市の人をつなぐ取り組みに力を入れて来られました。2019年秋の台風でも大きな被害を受けられましたが、鈴木さんは、「大変なことも多いけれど、たくさんの人に応援してもらっているので、頑張ることが出来る。人と人の顔の見える関係が最も大事なこと」だと話されていました。私たちは、これからも矢祭の美味しいお米や野菜を購入し、もったいない市場の開催などのお手伝いをさせていただきながら、応援していきたいと思っています。今回の講演会には、約40名の参加者があり、貴重なお話を聞かせていただいた上に、来場した方には福島の桃やお米、生椎茸、桃ジュースをお土産にいただきました。