岩本)以前にも鈴木さんには応援メッセージを寄せていただいた事があるのですが、改めて「でんぱた」さんについてご紹介いただけますか?
鈴木さん)2001年4月に農業の新たな可能性を求め「有限会社でんぱた」を農業法人として立ち上げ17年が経ちました。個人農業形態に限界を感じたことと、国の食糧管理法が新食糧法に改定され、生産者に「売る」自由が認められたことが大きな理由でした。それまでは戦後の食料安定供給のため国が流通を管理していたのです。自社生産の米は勿論のこと地元生産者の米や野菜をスーパーや生協に納入する窓口作りから始まり、加工による商品化やグリーンツーリズム(都市と農村の農業体験交流)なども取り組み、県内外への農産物販売に努めております。
岩本)震災から7年が経ちましたが、鈴木さんのところでは震災の影響はまだありますか?どのような点が困っていますか?
鈴木さん)K2の皆様には、震災後から社会復帰の一助とするため取り組んでいる矢祭町での農作業をきっかけに、矢祭米や野菜・加工品などの販売をいただき、震災で落ち込んだ産地状況に大きなエールを贈っていただきました。
しかしながら販売環境は7年たった今でも依然として福島産農産物への風評被害が続いている現状です。ホームページや都市部への出張販売等を重ね、払拭とPRを続けております。
岩本)最近うんめぇもん市のごはんがすべて「でんぱた」さんのお米に変わり、とてもおいしくなったと評判なのですが、お米のこだわりについて教えてください。
鈴木さん)2018年からは、「うんめぇもん市」を始め、K2インターナショナルジャパンの全施設で矢祭米が業務用としても採用され、お世話になることができました。業務用といっても通常販売のお米と何の変わりもありません。「あれ、お米変わったかな?」とお気づきの方もいらっしゃったかもしれません。関係者の方からは「冷蔵庫で保管した後でも変わらずに美味しいですよ」とお褒めの言葉があり、食味向上のため精米仕上りにも力点をおいていることが評価されたと喜んでいます。少しだけ精米について説明させていただきます。
①②は、米の酸化に影響します。③は炊きあがったご飯のべたつきの原因となります。④⑤は、色彩選別機や金属探知機で処理します。
岩本)横浜の皆さんにお伝えしたい事などメッセージをお願いします。
鈴木さん)夏には、K2の学童の子ども達が「虫キャンプ」で矢祭に来てくれました。クリスマスフェスタで横浜に伺った時には、子ども達の「英語劇」の動作がたまらなくかわいかったです。スタッフの皆さまは大変でしょうけど、あの子ども達の笑顔で癒されていることと思います。「でんぱた」は、これからも皆さまと末永いお付合いが出来ることを心から願っております。お買いいただいている皆様に支持される農産物の生産販売にこれからも努力を続けて参ります。