安田) 佐藤さんのお仕事を教えてください。
佐藤さん)関内のアルファデザインという事務所で、グラフィックデザインをしております。名刺やチラシ、ポスター、パンフレット、書籍などを制作する仕事です。元々、地元・石巻の広告会社の制作室に3年いたのですが、1998年にご縁があって横浜に来ました。当時は横浜にあるデパートの販促物や、着物屋さんのパンフレットなどを作っていました。2008年に独立してからは書籍を作る仕事が増え、本を丸ごと1冊作ったりもしています。最近では、エムディエヌコーポレーションから出版された「あなたもアフィリエイト・アドセンスで稼げる! はじめてのWordPress本格ブログ運営法」という本を作りました。その他、ロゴやCDジャケットのデザイン制作なども行っております。
安田) 佐藤さんは石巻のご出身という事で、石巻への支援活動等に取り組まれているとお聞きしましたが、その内容などを教えていただけますか?
佐藤さん)震災直後は、仲間達と被災した日本酒の蔵元に直接寄付をするという活動を行っていました。これは関内地区の飲食店で、震災被害に遭った蔵のお酒を飲むと1杯につき100円の寄附ができ、その集まった寄附金を蔵元に直接送っていました。現在は、石巻の門脇地区で「いしのまき・地域コミュニティ再生」記録映画を撮られている青池憲司監督を応援する会「いしのまき・記録映画づくりを応援する会(https://www.ishinomakieiga-ouen.com/)」の事務局として活動しています。この映画は、この地域の人びとの、3月11日以降の暮しに添いながら、地震と津波で失われた地に「まだ見ぬまち」をつくりだそうとする日々を撮影したドキュメンタリーです。また、震災後のコミュニティ活動の記録であるとともに、旧北上川河口部に広がる地域(まち)と人の記憶を紡ぐ物語でもあります。門脇地区は、私の実家のすぐ近くということもり、映画制作の資金集めという部分で応援する会のメンバーと共にお手伝いしています。
安田) うんめぇもん市の活動への感想やご意見などありましたら教えてください。
佐藤さん)石巻の食材を使ったお弁当というのは、単に石巻を紹介するのではなく、“こんな美味しいものがあるんだよ”というメッセージが込められていると思っています。単に復興支援というのではなく若者支援も取り入れた活動はすばらしいと思います。さくらWORKSで行っている「うんめぇもん市交流会」も何度か参加しましたが、参加されているみなさんが何らかの形で石巻と関わっていたりするので、石巻の話をしながらお弁当を楽しめました。また、お弁当を食べながら、食材の話や、実際に石巻ではこんな食べ方をしていますなどの話をしたところ、参加された方々が興味津々で聞いてくださった事がありました。このように石巻に興味を持ってくれる機会にもなっているので、出身者として嬉しいですね。
安田) 石巻の特産品、食べ物、その他で横浜の方に「これはお勧め!」というものがありましたら教えていただけますか?
佐藤さん)石巻の特産品と言えば、やはり海産物が第一に思い浮かびます。笹かまや海苔も美味しいですし、牡蠣やホヤもお勧めです。特に石巻産の牡蠣は、身が大きくクリーミーで濃厚な旨味がたっぷりです。ホヤは新鮮なのが一番美味しいので、ぜひ現地で食べていただきたいですね。また、石巻には水揚げ岸壁の長さ(1,200m)と魚市場の上屋根の長さ(652m)の日本一を誇る漁港があります。魚そのものと、それを原料とする加工品はどれも美味しいですよ。最近は金華鯖と呼ばれる脂ののった鯖がでています。これはそのまま食べてもいいですし、缶詰にもなっているのでそちらもお勧めです。
安田) うんめぇもん市のお客様や読者の皆さんにメッセージをお願いします。
佐藤さん)津波で大きな被害を受けた石巻ですが、復興へ向けて着々と工事が進められています。前述の通り、海産物が特に美味しいので、機会があればぜひ石巻に足を運んでみてください。余談ですが、石巻には日本製紙の石巻工場があり、ここでは日本国内の書籍用紙の約4割が生産されています。この工場はすごく大きいので、近くで見ると圧巻ですよ。
また、震災で甚大な被害を受けた石巻を震災前の状態に戻すのではなく、もう一歩進んだ形の石巻にしよう「ISHINOMAKI2.0(http://ishinomaki2.com)」も面白い活動です。その一環として、今年はもう終わってしまいましたが、年に一度、数週間の期間で「復興バーin東京(https://www.facebook.com/fukkoubarginza/)」も行われていますので、こちらにもいらしてくださいね。
安田) 楽しそうなイベントですね、ありがとうございました。
今後ともうんめぇもん市の応援をよろしくお願いします。