うんめぇもん市の活動レポート「やっぺす通信2013年 5月号」より
うんめぇもん応援団の記事を抜粋して掲載しています。
今回は横浜市健康福祉局 福祉保健課長 松本均さんよりお言葉を頂きました。
厚生労働省は今国会に生活困窮者支援法案を提出し、中間的な就労の場を確保することなどに総合的に取り組む。
中間就労とは、通常の労働市場における就労と、障害者総合支援法に基づく福祉的就労の中間に位置する就労のことをいう。
雇用契約を結ばないで訓練として就労を体験するタイプと、雇用契約を結び、ジョブコーチなどの支援を受けながら就労するタイプがあり、支援が必要な人の状況に応じて、柔軟な働き方を提供する場である。
中間就労の対象者は今後創設される相談機関で支援決定を受けた者であり、具体的には経済的に困窮している者などで、長期間就労についていない者、引きこもり・ニート、障害者などが想定されている。
受入事業所は、中間的就労の対象者を一定程度受け入れている事業所と一般事業所の2類型となる見込み。就労形態は対象者に適した業務となり、軽作業が中心で、就労日、時間も個々の対象者にあわせてフレキシブルなものとなっている。
また、対象者をサポートするために事業者において、就労支援担当者を配置し、就労支援プログラムを作成し、支援を行っていく。賃金は雇用と非雇用の場合で異なるが、非雇用の場合であっても一定金額が支払われる。
このように、かなり柔軟性に富んだ就労形態であるが、課題もある。いわゆる貧困ビジネスと言われるように、安い賃金で対象者に就労を強いることにならないか、事業者にも一定の負担がかかることから、多くの事業者を確保することができるか、対象者、事業者を結び付け、自立の方向に導くフォロー体制がとれるか。
K2インターナショナルでは、引きこもり・ニートの人がアパートや戸建て住宅で共同生活を行いながら、農作物を耕作し販売したりして、様々な働く場を作っている。
また、震災後、石巻にアパートを一棟購入(K2石巻ハウス)し、引きこもり・ニートの人が共同生活を行いながら、地元の漁師さんの協力を得て、牡蠣の養殖の手伝いや、再建した水産加工会社で短期間の就労も行っている。
横浜では引きこもり・ニートで あったが、横浜から石巻に行き、復興のお手伝いをする中で、自分は被災地の復興のために役立っているという自信をつけて、横浜に戻ってくる若者もいる。(24年度参加者50人)朝起きて、食事をして、職場にいき、皆にあいさつをし、仕事をこなす。
こうした基本的なことをこなしていき、自信をつけていく。しかし、なによりも自分は社会の為に、被災地の為に、役立っているのだということを実感できることが大事ではなかろうか。
K2インターナショナルでは、横浜市役所、区役所など市内の会場で、「うんめえもん市」と称して、引きこもりやニートの若者たちが石巻の特産品を販売している。(24年度100回以上実施)
こうした取り組みも中間的就労の場になりうる。生活保護基準が引き下げられようとしているが、新たな生活困窮者支援制度の創設は生活困窮者の総合支援として必要不可欠であるため、今国会での法案成立が望まれる。