うんめぇもん応援団 応援ファイルNo.66 うんめぇもん応援団突撃インタビュー

亀山 貴一さん
今回は一般社団法人はまのね はまぐり堂店主 亀山 貴一さんにお話を伺いました。

宮城県石巻市蛤浜出身。K2スタッフ亀山の従弟にあたります。震災で消滅しそうになった蛤浜再生のため現在も活動中。K2メンバーは、蛤浜の環境整備のお手伝いや、ジョブキャンプメンバーの受け入れ等でお世話になっています。

友理子)蛤浜の活動について教えてください。
貴一さん)東日本大震災により、もともと9世帯だった浜の人口が、2世帯5名までに減ってしまい、何とか生まれ育った浜を残したいという思いから、蛤浜再生プロジェクトを立ち上げました。当初は、自分1人だけの小さな活動でしたが、賛同してくれる仲間と出会い、共に活動していく中で協力者も増え、オープンしたカフェには年間15,000人ものお客様が訪れてくださるようになりました。また、目の前にあるきれいな海でのアクティビティや森での活動、ものづくり、学生の受け入れなども行い、交流人口も増やしていきました。震災5年目以降の被災地では、ボランティアや支援も大きく減りましたが、逆に蛤では観光や学びの場として訪れる方が増えています。とてもありがたいことですが、今度は浜のキャパを超える人々が訪れるようになり、ここで静かに暮らしている住民にとっての様々な弊害も起こるようになり、道路等の復興工事が本格的に始まった8年目のタイミングで、それまでの活動を大きく見直し方向転換しています。現在は、海・ものづくり・カフェ&漁業の3本柱を、それぞれ中心となっていたスタッフがそのまま担い独立させました。同じ方向をむいて浜のために尽力する思いは変わらず、ビジョンは常に共有しています。カフェは、ネーミングを「浜の暮らしのはまぐり堂」と変え、営業日を週末の3日間だけ、ランチは完全予約制として営業。蛤でとれる魚介類(採れたてひじきや、なまこ、あわび等がでることも!)をゆっくりと味わっていただけるようになりました。

友理子)K2メンバーとの関わりや感想をお聞かせください。
貴一さん)これまでジョブキャンプやK2石巻メンバーを長期的に受け入れたり等してきましたが、今までとはまた違った形で、関わりを大事にしたいと思っています。これからは、関係を大切に深めていきたいと思っているので、今後のK2メンバーの活躍に期待しています。

友理子)これからの展望について教えてください。
貴一さん)現在は、活動の大きな転換期なので、この3年でその土台作りをしていきたいと思っています。何より「浜の暮らし」を大切にしながら、浜を存続させ次世代につないでいくため、資源・環境・子どもの教育にも新たな形が必要だと思っています。昨年までは助成金等もいただきながら活動していましたが、現在は鹿の事業のみに縮小し、私自身、また蛤浜に住みながら漁業で生計をたてるようになりました。今までと違って浜の生活をゆったりと楽しめるようになっている、日常が戻ってきていることが大きな収穫です。漁師をしながら自由な生き方で地域貢献をしてきた祖父にあこがれ育ったので、将来は、祖父のような生き方をしていけたら幸せだなと思っています。

友理子)横浜で応援しているみなさんへのメッセージをお願い致します。
貴一さん)震災から8年。応援してくださる皆様のおかげでこれまで活動を継続できました。ちょっとずつ環境も戻ってきていますが、今後は、衰退していくことが予想される地域をどのようにより良く存続・発展させていけるか、というタイミングを迎えています。今後も石巻へ遊びにきていただいたり、商品を購入していただいたり等、変わらず応援・交流してもらえたらありがたいと思っています。

はまぐり堂の様子・活動

蛤浜プロジェクト